ぎをん齋藤
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田中創造

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京都・祇園の老舗呉服店『ぎをん齋藤』で、営業・制作に携わっております。古典に学び現代に活きる、オリジナルきもの・帯の創作舞台裏をお届けします。


~お問合せ~
ぎをん齋藤 田中 創造(たなか そうぞう)
☎ 075-561-1207 または 090-8880-1894(直通)
✉ gionsaito-tanaka@outlook.com

天鼓ふたたび

ゴールデンウィークも終盤ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
3年ぶりに何の宣言も行動制限もない連休とあって、ご旅行に行かれた方も多かったのではないでしょうか。

今日も市内を運転しておりますと、全国各地のナンバープレートを掲げた車が走っていました。特に後半の連休からはお天気も良くなって絶好のお出かけ日和となったことでしょう。

お休みが続くと、平常に戻った時に生活リズムが乱れたりして体調を崩してしまう事もありますので、どうぞお気をつけ下さいね。

さて、突然ですが、これは何に見えますか?

お着物通であればピンと来る方も多いでしょうが、これは「鼓」の柄です。
鼓というと、お能や何かで囃子方が小脇に抱えて打ち鳴らす、アレです。

田中は今年のゴールデンウィーク締め括りとして、明日8日に「大江観正社」春季大会に参加致します。
今回は「天鼓」(素謡)のワキを務めますので、鼓の着物が登場した訳ですd(^^)

実は2020年の秋季大会でも「天鼓」で舞台に上がらせていただきましたが、その時はシテのお役でした。
(ご興味おありの方は過去ブログ「天鼓」もご覧下さい♪)
今回はワキという事で、前シテである天鼓の父・王伯や、後シテである天鼓の亡霊と掛け合いを行う、皇帝の臣下であります。

前半も後半も人格が変わらないので、声の調子などは一定ですが、それだけに単調にならないよう気をつけなければなりませんし、登場人物でありながらストーリーテラー的な側面もある為、テンポよく話の内容を届けなければなりません。

かと言ってどんどん先へ先へ謡ってしまうと、役柄上必要な威厳とか落ち着きといった要素が損なわれ、かえって情景が伝わらなくなりますし、最悪の場合には能自体の世界観(構造、と言うべきか…作品全体の「枠」のようなもの)が崩れてしまいます。

「名脇役」という言葉があるように、能においてもワキがしっかりと物語の土台を作っていて初めて、シテが導く情感や幽玄の世界が舞台上にモクモクと立ち現れるのだと思いますので、安定感のあるワキを目指して頑張りたいと思います!

 

ちなみに…
田中の出番は二番目、11時頃の出演です。
場所は御池中学の裏手にある「大江能楽堂」、入場無料!御来場歓迎!です♪