ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

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呉服業界の改革

染めの世界も西陣織の世界も分業を基本としている。

大いに盛んであった時代は分業制を取り入れなければ生産が追っつかなかったのであろう。

しかし中には自分の作品作りのため、自分一人で全ての工程をこなす個人作家もいるが、

ほとんどの場合食べてはいけない。

大半は分業制度に組み込まれた一工程を生涯の生業として孫子の代へ受け継ぐことを良しとす職人が京都にはたくさんいる。

生活様式の変化に伴って着物を着る場面も少なく、自分一人で着ることもできないので

美容師さんに着付けしてもらう人が多い現在、分業制を維持するほど大量生産は必要だろうか?

 

私は無意味だと思っている。

かと言って工場のように労働を集約的にして制造するとなれば、若い未熟な職人ばかりで上質な物が作れないのではとも思う。

 

どちらにしても永年の状況を号令一過で改革するのはまったく不可能だ。

私の周りの若い職人にも制作の技術と営業の現場を学びながら生活するよう訴えているが、思ったようにはいかない。

文化が途絶えそうな危機的状況下でも、私一人の力では何にもできない無力さを痛感する。

結局「なるようにしかならない」のが実態だが、それではあんまり口惜しい。

絵心のある若い人、たくさん集まれ!