ぎをん齋藤
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摺絵の道険しい

摺絵」をいよいよ本格的な商品化を目指し試験を繰り返している。

摺絵とは型を使って顔料を刷り込んで模様にするもので、沖縄の紅型に近い技法である。

友禅染めが繊細な仕上がりを得意とすなら摺絵は力強い仕上がりを得意としている。

尾形光琳が描いた「杜若屏風」は杜若の葉と花の型を作り屏風に配した摺絵の代表作である。

この図柄は後の「琳派」と称される画家たちも描いている、

「在原業平」を主人公にした「伊勢物語」の中から「東下り」の段をテーマとしたものだ。

私も琳派の流れを受け継いで摺絵摺箔で杜若屏風を作ってみたいと、

その為の予行演習として染め名古屋帯に挑戦し始めたが、

思いの通りに仕上がるか?

顔料に何を使うか?

「群青」や「緑青」など高級な顔料を使わないと高級感が出ないのでは?

など問題は山積している。

友禅染めが主流の呉服業界に刺激を与え消費者にも趣の違いを楽しんで貰いたいと、

そんなことに悩むのが私の仕事であると同時に楽しみなである。

武原展30周年

3月の六本木「武原展」は30周年を迎える。

以前にも書き記したとおり舞踊家 故「武原はん」さんとのご縁で始めたこの展示会は、つい昨日のことのように感じるが、もう30年という月日が流れてしまった。

あの当時も六本木は歓楽街には違いなかったがド派手なネオンもないノンビリ感のある大人の街であった。

学生時代、下宿が六本木にあったので、あの界隈は我家の庭のように良く知った場所で近所にあったレストランでアルバイトをした経験もある。

今は外国人が多く、夜の六本木は日本ではないかのように変わってしまった。

さて今回の30周年記念展示会は日本文化の源流に立ち返り「源氏物語」をテーマにした「御所解」と古裂の「切り付け」作品を作ってみようと思っている。

「ものの哀れ」、「諸行無常」を書き綴った平安貴族の生活と母系社会を描いた長編ロマン小説は1000年前の風俗を知るためにも大切な史料である。

「御所解」が流行し始めた江戸時代後期に文芸ルネッサンスが起こり、源氏物語や枕草子など古典文学をテーマにした着物が流行したことが御所解様式を生み出すことになったと考えている。

丁度その頃に我が家の始祖も「日野屋齋藤店」として旗揚げをしたと考えられる。

私は「贅沢」と「夢」を売り物にしている

着物にしろアートにしろ、申し訳ないが生活に困窮している人を対象としていない。

基本的な物質に恵まれた人が精神的満足を得るために求めるものを提供している。

だから無くてもいっこう困らないものである。

まだ、きものは実需を伴う仕事は多い、例えば芸妓、舞妓、料亭の女将さん、お茶人さん、古典芸能関係者などである。

趣味としてきもの愛好者もかなりの人数がいらっしゃるが、アートはお金の余裕がある愛好家以外には考えられない。

中には投資対象としてアートを買う人がいるが、どっちにしてもゆとりがあるのが条件だ。

世の中が平和なればこそ成立するゆとり産業である。

故に戦争や災害が発生すると途端に不景気になってしまう。

私の愛聴番組「お宝鑑定団」を見ていると出場者の多くは男性で長年の骨董好きが登場する。

女性は親や知人から譲り受けた物の価値が知りたくて出場するケースが圧倒的である。

これでわかるように男性は自分の目を信じて?夢に一攫千金を託すが、女性はわけのわからない物には「びた一文」も出したりしない。

その代わり自分が綺麗になるなら大金も努力も惜しまない。

人間のやることは男も女も滑稽だ。