ぎをん齋藤
ぎをん齋藤

女将思い出語り

人生の賞味期限

昨今、医療も進み、現代人の寿命が百歳越えの時代が来ました。

喜ばしい反面、老後の人生時間をどのように過ごすかが大きな課題となり、各種紙面にはこの解決法を取り上げた数々の宣伝が載っています。

 

最近、私はつくづく思うのですが、学業を終え、一般社会人となり、現役労働が始まります。その間、試行錯誤の人生の果てに、退職と同時に「老後」と称される期間に入って三十年近くある訳ですから、その過ごし方が難しい問題となり、我々世代は切実に悩む事となります。

しかし私はこの「老後」三十年間が「人生の賞味期限」の始まりだと受け止めています。その理由は「美味しい料理一皿」に譬えると、食材、調味料など吟味して、味付け、盛り付けに心を配り、失敗を繰り返しながらやっと納得した「極上の一皿」が完成して賞味するのですから、丁度「現役社会人」を完成させてから「極上の老後」に入るのだと思います。

 

老後は寂しくも悲しくもなく、この瞬間から「人生の賞味」がはじまり、楽しく充実した味わいのある期間になるのではないか…と私なりに解釈しております。

多趣味な私は周りの多くの同世代友人たちと楽しむ事を最優先に、唯今「人生の賞味期限」の真最中です。

「ああ、幸せ! 楽しむコツは多趣味であることかな…」