日記帳

先代の教え

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  • 2021.04.02
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摺箔の画材に悩む

順調に制作を続けてきた摺箔モチーフに悩んでいる。 最初に浮かんだ「波」と帯にした「雲取り」が、あまりうまくいったので、 まだまだ念じれば、名作を作れると安易に思っていたが、なかなかうまくいかない。 現在「金龍」を製作中だが出来栄えを案じている。 本来が室町時代末期に登場して50年ほどで消えて…
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  • 2021.02.16
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3月六本木陳列会

今年の作品テーマは「神坂雪佳」を取り上げてみた。 雪佳は昭和の最後の琳派として京都で活躍した絵師で「ぎをん齋藤」でも下絵職人として祖父の時代に使っていたので肉筆絵も何枚か残されている。 それらを活用した帯やきものを現在制作している。 画風は「尾形光琳」の柔らかなタッチに昭和のモダンニズムを加味…
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  • 2021.02.01
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最近の日常を冷静に見てみると

日本経済新聞を毎日読んでいると現在の日本経済は業種別に大きな業績の差が明確になっている。 航空会社を代表とする観光関連会社は驚くような赤字決算、かとおもえばオンライン ワークを展開するIT関連の会社は過去最高利益を上げる。 日本でこんな状態だから欧米でも同じような結果になっていると思われる。…
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  • 2020.12.19
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岩絵具で描いた「牡丹図訪問着」が直ぐに!

先月にブログで紹介した緑青、群青などの岩絵具で型を利用した「摺絵」の訪問着が案の定、直ぐに売れた。 私も出来上がりを見た瞬間から「素晴らしい、良い出来」と喜んだ作品が師走の展示会で目利きのお客様の眼にとまり早速に売れた。 こういう瞬間が物作りをする人間の至福の時で、 誰も以前に見たこともないが…
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  • 2020.11.30
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久々に入手した「辻ヶ花」

最近トンと売物を見かけない古裂の世界だが、珍しく「辻ヶ花」の売り物があったので手に入れた。 制作年代は1590年〜1600年あたり、辻ヶ花の最後期の作品だと私は見た。 その理由は生地は従来の「煉貫」(ねりぬき)が使われているが「疋田絞り」が見かけられるので「辻ヶ花」の全盛期は過ぎている。…
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  • 2020.10.15
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泉田玉堂老師に問う

以前から時々ブログにも書いているが私の茶友であり、息子の師である泉田玉堂老師が久しぶりに京都においでになり、 最近のご様子や「摺箔」の評価を得た次第だ。 老師は奈良の大宇陀にある大徳寺の塔頭「松源院」にお一人でお住まいの身だが、大徳寺の頂点を極められ「室号」をお持ちの高僧である。 今回は特に私…
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  • 2020.09.18
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「摺箔老松屏風」完成

土曜日からの秋の展示会に合わせて「摺箔老松屏風」がようやく仕上がってきた。 玄関にドンと広げて皆さんをお出迎えする設えが出来上がった。 価格も決めた金700万円、高いか安いか人によって受け取り方は違うと思うが、自分では妥当な価格だと思っている。 現在のコロナ禍でこそ不老長寿を祝う老松が相応…
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  • 2020.08.18
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杉本博司私の履歴書を読む

日本経済新聞に連載されていた私の履歴書を読むのを毎日楽しみにしているたが7月31日を以て終了した。 彼は東京の下町の生まれとは聞いていたが立教の小学校に入学する位だから所謂お坊ちゃんである。 私のように地区の小学校に入るとは大違い、京都の下町でもお坊ちゃんはキリスト教系の小学校に通ったもんだ。…
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  • 2020.07.13
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新発見?「古摺箔」

今手掛けてる「摺箔」の起源を探りたいと色々美術書や専門誌に目を通しているが、 16世紀以前のものを見かけることなかったのだが「平家納経」を詳しく見ていたところ、 一巻の経典の見返り部分に金銀箔の絵を見つけた。 「平家納経」ははっきりと年代が特定された貴重な研究資料である。 平安時代末期、「平…
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  • 2020.06.18
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「死者の書」を読む

奇怪な小説「死者の書」を読む。 そもそも「死者の書」とは古代エジプトにおいて死者が霊界に入るための手引書らしい。 この名をタイトルとして「折口信夫」が書いた小説がこれだが、この著が20世紀に書かれた小説だと誰が信じるであろうか? まるで古典文学の授業のテキストの様な文体、内容である。 筆者、…
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  • 2020.06.11
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商業主義に偏った物づくり

最近また「辻ヶ花」の事を雑誌社や消費者に尋ねられることがある。 確かに以前から私も江戸時代のものより室町、桃山時代の裂の方が好きだと言ってきた。 じっくり理由も考えずに直感で主張してきたのだが、最近「はまっている」摺箔を研究していくと、 室町時代が日本の染色の萌芽期にあたると気づかされた。 日本固有…
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  • 2020.05.26
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「陰陽五行説」とは?

この思想に基づいて考えることで、森羅万象、つまり宇宙に存在するすべてのものを説明できるとされ、具体的には自然や人間の生活を形成する日・月・年や季節、方位など、すべてを説明し、儒教や医学、天文学などの学問や音楽など、中国文化の根幹を支える理論として重要なものであった。 日本でも飛鳥時代には「陰陽寮」…
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  • 2020.05.15
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新しく手に入ったのは8世紀のソグド裂

ソグド人とは中央アジアのペルシャ系農耕民族で中国、唐時代には「胡人」と呼ばれた。 「胡弓」という楽器は日本でも有名だが、その「胡人」である。 ギリシャの唐草模様やペルシャの連珠紋を中国や日本に伝えたのもシルロードの民、ソグド人である。 今回手に入れた裂は15cmx35cmと小さいものだが地色の…