ぎをん齋藤
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「陰陽五行説」とは?

この思想に基づいて考えることで、森羅万象、つまり宇宙に存在するすべてのものを説明できるとされ、具体的には自然や人間の生活を形成する日・月・年や季節、方位など、すべてを説明し、儒教や医学、天文学などの学問や音楽など、中国文化の根幹を支える理論として重要なものであった。

日本でも飛鳥時代には「陰陽寮」を設け、官僚として「陰陽師」(おんみょうじ)をおき、陰陽寮は神道の祭祀や神事に影響を与えた。やがて災害や怪異な現象を「ものの祟り」だとする平安貴族の神秘主義的傾向が日本独自の「陰陽道」を生み出したのである。

この同名の映画がヒットして「野村万作」が一躍人気俳優になった事はご存知であろう。

この日、月、火、水、木、金、土を摺箔のモチーフにしようと思ったのは想起したというより導かれたという方が実感である。

摺箔の屏風を試みるに当たって、今まで挑戦したことのない抽象的で壮大なモチーフで作ってみたいと思った。

今の時点でアイデアが纏まらないのは「火」の表現である。

紅蓮の炎は密教における「護摩」を連想させ不動明王に祈りを捧げ、人間の煩悩を断ち切るという祈りである。

護摩の炎を摺箔で表現できれば迫力のある屏風になりそうだが。。

古裂蒐集の愉しみ

色々な蒐集癖があるが「古裂」の蒐集者は多くはない。

しかし古裂のファンは意外と多い。

蒐集家が一番多いのはやはり焼き物と書画だろうか、、

調べたことはないが、何処の古道具屋さんを覗いても焼き物と掛け軸を見かける。

書画、骨董の蒐集家の90%は男性だと思う。

一方古裂の愛好家は90%はやはり女性だが、お金を出して買う人は少ないらしく、

特に値段の高いものは「見てるだけ♩」で楽しいらしい。

私も茶道を辞めてから茶道具を買い求めることはなくなったが「光悦」の茶碗などを見ていると欲しいな!と思うくらいだから古美術品が好きなのである。

私の経験から蒐集のポイントは自分の専門分野以外のものは手を出さない事だと思う。

「藤田嗣治」のスケッチや「西郷隆盛」の書などはあちこちで見かけるが、まず偽物であろう。

第二次大戦直後は「弘法さんの朝市」に行くと「宗達」の巻物が売りに出ていたのを安く手に入れた人物を知っているが、そんな事は宝くじの一等当選するが如くで滅多にあることではない。

もしコレクションとして完成させるなら系統立て集中的に蒐集していかなくてはならない。

まあ宝くじと同じで「夢」は手に入る。

新しく手に入ったのは8世紀のソグド裂

ソグド人とは中央アジアのペルシャ系農耕民族で中国、唐時代には「胡人」と呼ばれた。

「胡弓」という楽器は日本でも有名だが、その「胡人」である。

ギリシャの唐草模様やペルシャの連珠紋を中国や日本に伝えたのもシルロードの民、ソグド人である。

今回手に入れた裂は15cmx35cmと小さいものだが地色の赤が綺麗に残っていて絹の艶も鮮やかだ。

8世紀といえば「正倉院」と同時代の貴重なものである。

当時シルクロードでは絹と金は等価で取引されていたので高価な衣類であったに違いない。

模様は「孔雀」だが周りは連珠ではなく植物の葉?になっている。

赤色染料が植物由来の「あかね」や「紅花」ではなく「ラック」と呼ばれる虫から抽出した動物由来の染料ゆえに1300年も経った現在でも赤が残っている。

日本の染料は植物由来が中心なので、日光にあたるとすぐに変色して茶色っぽい色になる、特に赤は弱い色である。

さて、今年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」は再開未定のようだが、登場する農民が、化繊のピンクや鮮やかな緑の農服を身につけているのは余計なお世話ながら気に入らない