ぎをん齋藤
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齊藤康二

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京都東山の祇園一角に店を構えて170年余り、
呉服の専門店として自社で制作した独自の
染物・織物をこの弊店で販売しています。
ぎをん齋藤の日常からこだわりの”もの作り”まで、
弊社の魅力を余すことなくお伝えしていきます。
皆様からのお問い合わせ、ご質問などお待ちしております。
◆お問い合わせ
ぎをん齋藤 齊藤康二
TEL:075-561-1207
(Mail) gion.saitokoji0517@gmail.com

雪持ち文様

一段と寒くなりました、1月20日頃は大寒、一年でもっとも寒い時期ということです。

大寒は小寒から数えて15日後とされていて、小寒から大寒、立春までの30日間が

「寒の内」ということになります。

ちょうどこれから15日間程度は寒さのピークといったとこでしょうか、

どうぞお身体に気を付けてお過ごしください。

さて、そんな時期にご紹介する着物の柄は”雪持ち文様”というもの。

(雪持ちというだけで、季節に合わせたのではないのですが、、、)

草花などに雪がこんもりと積もった状態を優雅に表現した文様です、

桃山時代の縫いにも登場し、そのおおらかで柔らかい綿をもったような形の

「雪持ち文様」は遺例も多く残っており、当時から広く使われてきた

柄の一つとなっています。

雪持ちは笹や松、椿や柳など様々な草木に応用され、桃山時代以降は雪景色の観賞も

貴族の間で嗜まれるようになり、また情感もふまえ縫い箔などの技法により能装束や小袖の

衣装としても現在に多く残っています。

※雲井朱地扇面縫い箔訪問着

 

雪持ちというとやはり冬のイメージがありますが、きものでは文様の持つ

風情や情緒といったその個性を嗜むために、あえて季節を問わずお召いただいて

その柄の優雅さを楽しんでいただいています。

 

 

年の瀬

今年も残すところあとわずかとなり、そろそろ2021年を振り返り総括する時期となった。

さて、思い返せば今年はどんないいこと、悪いことがあったでしょう、、、、

毎年のように一年はあっという間に過ぎ、歳をとるにつれ時の経つ早さに驚かされる。

この窮屈なコロナ禍、上手くいったこともあれば、いかなかったこともあったが、

一年を通して様々な出会いがあり、そしてまた悲しい別れもあった。

しかし淡々とした日々の生活に追われるとその嬉しさや感動は次第に薄れ、

何もなかったかのように過ぎ去ってしまう。

また悲しみもそうで、時間だけが気持ちを癒し、楽しかった思い出だけが残る。

そして、それはいずれ懐かしさという決まった形で記憶に定着されていくのだろう。

この一年あれやこれや、やらなければならなかったこと、また成功や失敗に対して

反省をする反面、思い出として記憶に残しておきたい”感動や心情”は時間によって

味気なく色褪せ、そして忘れていってしまうことがこの世知辛い世の中においては

何とも物悲しいく思える。

来年もまた、色んな感動や悲しみがあることを期待しながら、これらをしっかりと

記憶にとどめるためにも、その折にはブログに綴っていこうと思う。

私のおじいちゃんは言っていた、

”君を嫌う人間を怖がることはない。

しかしうわべだけで近寄ってくる

人間にはいつも気をつけなさい。”

 

10月 京都秋の陳列会

9月も後半となり、いよいよ来月から経済への締め付けも全国的に緩和されるようです。

今年はワクチンの接種率も格段に上がり、ようやく経済へ目を向けられる状況になったと

理解すべきなのでしょうか。

もしくはこれ以上成す術もなく、経済への打撃を少しでも抑えにかからないと

日本は立ち行かなくなる、と判断したのがろうか、、、

どちらにせよ、来月からはようやく大きな変化と共に経済はまわり始める、

と期待も膨らみ、一時胸を撫でおろしている経営者も多いのではないでしょうか。

甘い考えかもしれないが、この転機が一筋の光となり長い長いトンネルの出口を

照らしてくれる導となってくれることを願うばかりです。

 

さて、現在ぎをん齋藤では来月の16日から始まる京都秋の陳列会に向け、

各種様々な準備をしています。

コロナ対策はもちろん陳列する商品や会場のしつらえ、また各所不備のないよう

日々検討し、万全の体制を整え皆様のご来場をお待ちしております。

まだまだ以前のような暮らしには戻れませんが間もなく、あともう少し、と

願いながら”美しいもの作り”を念頭に、進めてきた会でございます。

どうぞ、束の間の優美をこの秋の陳列会で味わっていただきたいと思います。

 

ご新規の方、ご質問などあります方はどうぞぎをん齋藤までお問合せください。

(尚、ご予約につきましてはコロナ対策の一環として完全予約制を設けております。)

※縮緬御所解染帯