日記帳

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  • 2017.05.06
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続「量から質へ」

上記の滑稽さの裏に何があったかと考えると「絹は高価な物」という錯覚があったように思える。 シルクロード交易で中国から輸入される生糸が金(きん)の重さと等価であった時代は遥か昔の話で、昭和も中頃を過ぎるときものの財産価値は無いに等しく、有ると錯覚していたきらいがある。 さらに正式な場所では…
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  • 2017.04.24
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稲葉賀恵さんの事

突然友人から一枚の写メが来た。 よく見ると友人の隣に立っている女性は稲葉賀恵さんではないか!。 彼と稲葉さんとは面識はないはずで、後のメールによるとパーティーで一緒だったので私を肴に話が弾んだらしい。 稲葉さんとはかれこれ30年のお付き合いである。彼女もモデルからデザイナーとして大きく飛躍された…
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  • 2017.03.04
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嬉しい報告

前々回のブログに掲載した「杜若訪問着」が、あるお客様の目にとまりメールでご注文いただけたという嬉しい報告を社員から受けた。 新しい試みに共感して、お買い上げいただけるのは作家冥利につきるというものである。 実際のところ空気を表現するために出来上がった模様に金や銀、胡粉などを上から吹き付けるのだか…
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  • 2017.02.24
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改めて「ぎをん齋藤」の自己紹介

販売窓口の会社、染物会社と織物会社の3社で構成されている「ぎをん齋藤」は、社員と職人(外注職人を除く)を合わせ総勢25名で運営されている。 チッポケな会社であることは確かだが、小さくてもキラリと光るダイヤモンドような存在だと自負している。 会社は大きいばかりがいいとは限らない、年商何千億とか言っ…
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  • 2017.02.17
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完成の域に達した「空気」の表現

以前に若松柄の訪問着で辺りに漂う空気を表現してみたことはブログでも紹介した。マズマズの出来栄えに上機嫌の面持ちであったが第2作目「杜若」図の訪問着が堂々(?)完成した。 情景を説明すると杜若が咲き乱れる池(京都では大田神社の池)に朝もやが立ちげぶり静謐な景色に思わず佇むといったところ。 きも…
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  • 2017.02.14
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元禄小袖を活かす

埋もれてしまった元禄小袖を切り付けにして新たな命を吹き込む。 3月に予定している六本木、武原展の為に用意している作品の一つである。 今回のテーマは6月に京都、細見美術館にて開催する「齋藤コレクション展覧会」を記念する会である。手持ちの古裂を利用して切り付けのきものや帯を展示する予定だが、その代表作…
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  • 2017.02.07
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出尽くした?古裂名品

古裂を求めてあちこちの古美術商と話すのだが、これといった出物の話はトンと聞かない。 先日も行きつけの古裂商を訪ねたところ、中国明時代の刺繍を勧められたが私の趣味ではないのでお断りをした。 私の見方では中国の染織品で魅力のあるのは8世紀〜10世紀まで遡らないと「生臭い」感じがする。 古美術市場でも…
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  • 2017.01.31
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ものづくりの極意

社員に物作りの要諦を教えるのも私の仕事である。 一番のポイントは作る物に「惚れる」ことで、消費者に迎合する物作りは感心しないと教える。 もちろんコストを考えずに作るのは無謀であり商業的ではないし、売りやすい値段を目指すのは工芸の宿命ではある。 一定のキャリアを積めば、気の向くまま作って高額な商…
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  • 2017.01.17
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「茶碗の中の宇宙」展を観る。

京都国立近代美術館で2月まで開催される「楽」家の作陶展を観る。 楽茶碗といえば千家の茶道には欠かせない茶碗である。量産不可能な技法から創り出される焼物は轆轤を使わず一つ一つ大切に焼成される。 私が特に好きなのは楽家初代「長次郎」の作品で、千利休が大成した侘び茶を象徴する利休の美意識が結実した作行…
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  • 2016.12.25
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古裂展覧会の開催

京都岡崎の細見美術館より「齋藤コレクション」展覧のオファーを受ける。日時は2017年6月17日から8月29日までの約2ヶ月の予定である。 細見美術館の館蔵品は春日大社の御神体、鎌倉時代の「春日曼荼羅」(重要文化財)で有名だが、その他尾形光琳、酒井抱一ら琳派作品、伊藤若冲らの絵画コレクションなど屈…
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  • 2016.11.24
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近くにあった名建築

下鴨神社敷地に隣接するように建てられた名建築を訪ねた。 我が家から徒歩5分に「旧三井家下鴨別邸」(重要文化財)が存在していたとは全く知らなかった。数週間前に新聞で報道されていたので散歩がてら訪ねることにした。 世界遺産 下鴨神社は糺ノ森の一角にあり京都の原風景と言われているが、別邸もナラの巨…
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  • 2016.10.04
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廓(くるわ)とぎをん齋藤

ぎをん齋藤のことをよく知らない人から「おたくは祇園の芸妓、舞妓のきものを専門に作っている店ですか?」と尋ねられることがある。 確かに先代の頃は廓のお客様が多かったと記憶している。初代の上京区から祇園に移転してきたのもその筋の顧客を獲得する為だったかもしれない。 現在店のある新門前通は京舞「井上八…
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  • 2016.09.30
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私の帯作り集大成

この数年力を入れてきた摺箔シリーズ帯の新作にチャレンジし帯作りの集大成にしたい。 そもそも摺箔シリーズは私が敬愛する故「徳田義三」の発想によりできたものだと思っている。箔を織り込む、いわゆる金襴織りは中国、唐時代から始まる1400年の歴史がある技法である。 紙に金箔や銀箔を膠で貼り付け短冊状に細…