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きものを愉しむ - 店主の記録 -

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  • 2024.04.29
  • 筆 : 齋藤 康二

インド更紗 笹蔓手金更紗

さて、待望の更紗ができてきた。 私の第一作目はやはり「金更紗笹蔓手」と決めていた。 なぜなら我社が所有する古裂のコレクション、インド更紗(16世紀~17世紀)の中で 最も魅力を感じたものであったからである。 インド更紗が日本に持ち込まれたのが大航海時代の江戸初期、当時新しいものを取り入れるこ…
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  • 2024.03.28
  • 筆 : 齋藤 康二

辻が花から渡し縫いまで

辻が花というと自然の草花を具象化し、絞り染めで生き生きと表現する技法の一つである。 長く続いた応仁の乱によって当時多くの貴重な染織品が焼かれ消滅したが、 後の室町・桃山時代に入ると名物裂と共に新たな技術も渡来し、染織産業も盛んになるのだが、 その中で絞りといえば特に秀吉の「桐紋陣幕」は有名であ…
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  • 2023.10.27
  • 筆 : 齋藤 康二

慶長の縫いと染織

日本の染織ルネッサンス期といえば安土桃山時代、それは豪華絢爛、まさに美の開花といっていい 大胆な柄行と金の摺箔、色鮮やかで悠然とした桃山縫いの色彩が特徴である。 しかし世が統治され落ち着いてくる頃、江戸初期になるとその煌びやかな世界はガラリと変わり、 大胆な染め分けの傍ら刺繍や摺箔はより小さく…
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  • 2023.09.22
  • 筆 : 齋藤 康二

江戸中期の能装束から現代へ

これはある資料から取り出した江戸中期頃の能装束、「松に白鷺文様縫箔」。 縫箔の装束には平織の生地を使い、浅葱地に肩から袖は青海波、腰には網、裾周りには唐花七宝が 金銀の摺箔で施され、上には白鷺、裾には浜松が慶長の名残を想わせる縫いで優美に表現されている。 また、この装束は”前田公爵伝来 第…
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  • 2023.06.30
  • 筆 : 齋藤 康二

桃山蒔絵笹に老松

桃山蒔絵厨子(ずし)の柄をモチーフに制作した訪問着が仕上がってきた。 厨子(ずし)とは字のごとく当時は厨房に置かれ、主に食器類を収納していた調度品のこと。 この蒔絵の特徴はまず桃山らしい老松や笹の豊かな絵の印象にある。 櫛は具象化されふっくらと表し、木はうねり躍動的に描かれ、また地の黒漆には金…
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  • 2023.06.24
  • 筆 : 齋藤 康二

雲取立涌に木瓜唐草文桃山縫い箔

この秋、久しぶりに京都陳列会を開催することになり、この数カ月はもの作りに集中している。 それは単純に在庫を増やすということではなく、”これ”という題材、テーマに出会わなければ始まらない。 言わば創作意欲をかき立てるような材料に巡り合うまでじっくりと資料や古裂と向き合い、 慎重に物事を進めていく…
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